2012-06-28

木曽川源流の里 水木沢(平成の名水百選)

「木曽川源流の里 水木沢」は、長野県木曽郡木祖村にある湧水・河川である。木曽川中流域でも書いたが、木曽川は、長野県木曽郡から岐阜県で飛騨川と合流し、愛知県、三重県を経由して伊勢湾に流れ込む河川であり、支流も含めると昭和と平成合わせて3つも制定されている。最早源流の美しさは、行く前から分かっているようなものだ。

天然林管理棟の前の看板。県道26号からの入り口の看板は、分かりにくい。そこからちょっと長いので道があっているか若干不安になる。。。

天然林管理棟の前では、ずっと木を加工している方がおり(後から考えて、その木は木道に使用されるものだったのだけど)、林へ入る我々に声をかけてくれた。
「地図はもっているかい?中に有るから持って行きなよ。熊よけの鈴もね」
天然林管理棟には、トレッキング用の地図の他、熊よけのごっつい鈴がレンタル用においてあった。お言葉に甘え、かりて行く。

林に下りるとすぐに、取水口があった。

天然林そばの取水口。冷たくて甘みととろみのある優しい味。

 これから1キロちょいの散歩なので、200ccくらい汲んで行く。

たいへんラフな地図だ
 とりあえず、太古の森コース巨大ヒノキ(分岐から100m)のそばの水スポットまで行って引き返し、その後、原始の森コースを回る、全水場優先コースを選択して進む。

そこかしこに、熊よけの鈴スポットが有る。本当にそばにいるんだと思う。

今回、初めて熊よけの本気鈴をつけたけども、腰やリュックに着けても耳がうわんうわんなりそうな音だった。よく山頂でお土産に売っているような薄い金属ではダメなんだな、きっと。地図は大変ラフだが、道標は親切で、道に迷うことはなさそう。

道のすぐそばを澄んだ水が流れる

太古の森コースの巨大ヒノキそばの水場と、上の分岐の水場は枯れていた。
上高地周辺は、梅雨時期は案外雨が少ないそうなので、他の時期はわからない。

原生林らしい、原生林

原生林は、やはりもののけの森にでてくる感じそのもの

木の根を守る為に木片を播いている。滑りにくい効果もありそう

 先に、木を加工していた方がいたが、このように木と人が共生できるように森林を保護しているのが素晴らしい。

展望台からの眺め
 アルプスが遠望できる。展望台で一休みした後、一気に下る。



その後、樹齢500年という大サワラを見る(直径2.4、高さは当然フレームに収まらない)。大サワラのそばの水場は生きていたけれども、雨の味がした。

きのこと植物の間のような不思議な生物

最初に戻り、入り口の水場で水を沢山汲んだ。時折水に色がついたり戻ったり。
美味しいが、家に帰って煮沸して飲むことにする。 天然林管理棟の前でも湧き水が取水できるが、森に入ってすぐの所が一番美味しい気がした。熊よけの鈴を返却した。
「また来てね」と言って頂いた。
木祖村は、ここだけにしかよっていないので、また来たい。

河川と湧き水の境界があいまいな、良い感じなところなので、水質は不安定かもしれない。
味自体は、玉露系のとろみと甘みが有る。水だけでおいしい感じ。
珈琲やお茶、炊飯などには。。。面白いことに、ここの水と、穂高の岐阜側の湧水でも感じたが、美味しい物はより美味しく、まずい物はよりまずく感じる。よくも悪くも素材の味を引き出すのかもしれない。特にここの水には、ヘタなお茶は負けてしまい、水の甘みが勝って絶妙にまずくなる。美味しいお茶ならいけるかもしれない。蕎麦と蕎麦つゆは旨かろう。

成分・湧出量等
水量は約8000トン/日

アクセス 
鉄道・バス:JR中央本線薮原駅よりバスで30分。
バスは(休日のみ?)一日往復合わせて5本。

車:
中央自動車道塩尻IC、伊那IC等より10km以上。最終的には、県道26号より森に入る。
駐車場は10台くらいは止めれそうだった。


近くの見所など

奈川の蕎麦。


由来・伝説・利用状況等
江戸時代には、名古屋城下建築のため、かなり伐採されたらしい。

森の中は歩き易く整備され、天然林管理棟そばには、トイレもある。


参考サイト
 環境省 平成の名水百選
https://www2.env.go.jp/water-pub/mizu-site/newmeisui/data/index.asp?info=46

 木祖村観光協会公式ホームページ
水木沢天然林:トレッキングに便利なラフな地図あり。水場が書いてあるので参考になった。
http://www.vill.kiso.nagano.jp/kankou/mizukizawa/mizukisawa.html

2012-01-09

木曽川中流域(名水百選)

木曽川は、長野県木曽郡から岐阜県で飛騨川と合流し、愛知県、三重県を経由して伊勢湾に流れ込む河川である。木曽川中流域は、岐阜県可児市で可児川と合流する地点より愛知県犬山市にわたる地域と、「昭和60年発行名水百選」には書いてある。

木曽川水系では
「木曽川源流の里水木沢(長野県木祖村)」
「馬瀬川上流(岐阜県下呂市)」←下呂市で飛騨川に合流
の二つが、平成の名水百選に制定されている。
水系で言えば、昔合流と分流を繰り返していた長良川も木曽川水系で、名水百選である。

支流の黒尊川と共に制定されている四万十川以上の扱いであろうか。

犬山城の天守閣から臨む木曽川。ちょうど名鉄犬山線がさしかかっている。
犬山城二階窓から
犬山城下町より河川敷へは結構な道のりで、辺りも暗くなり始めた為、水を見るに至らず。
飲めない場所にはあまり思い入れが無いせいで簡単に断念した。

河を撮影した二階廊下。廊下がつやつやしている。
四季桜が咲いていた。
今回は、犬山城から見る木曽川中流域であったが、本来はその少し北東の「日本ライン」に行くのが王道だったようだ・・・。多くの奇岩・怪岩がある河川美が楽しめるようだ。また行かなきゃいけないのかなこれは。

日本ライン下り(3月10日から11月30日まで、無休)
http://www.kisogawa-kankou.com/line.html
可児川合流地点より犬山まで13キロの船旅ができる。

河川であるのと、河川敷まで到達していない為、味見はなし。

成分・湧出量等
水量は約1,500万トン/日

アクセス(犬山城まで)
鉄道・バス:
名鉄犬山線「犬山遊園駅」より徒歩12分(900m)

車:
東名/名神高速道路 「小牧IC」より15kmくらい。
または、名古屋高速11号小牧線「小牧北IC」より15kmくらい。
犬山城には駐車場は沢山有るが、週末は駐車場待ちの車で渋滞している。

近くの見所など
6月から10月中旬までは木曽川の鵜飼を見れるらしい。
国宝犬山城 
犬山城下町
犬山モンキーパーク

名古屋市内よりは安くひつまぶしが食べられる。
 由来・伝説・利用状況等
 名古屋市等の上水道に使用されている。魚釣り、ボート遊び等に利用され、親水性が高い河川である。


木曽川が現在の流路になったのは、1586年木曽川史上最大の洪水と言われる「天正の洪水」以降のことで、それ以前はいくつもの支流に分かれ濃尾平野を流れていた。この「天正の洪水」により集中して流れた流路が「木曽川」と言われているそうだ。以降多くの戦国武将により、治水工事が行なわれた。

  参考サイト
 環境省 名水百選
犬山城
愛知・岐阜 木曽川流域観光圏

2012-01-08

智積養水(名水百選)

智積養水は、三重県四日市市智積町の湧水(水源は三重県菰野町の蟹池。鈴鹿山脈の雪解け水)である。このブログのテンプレートの拡大可能な地図には、行ってみて分かりにくかった蟹池を表示した。智積養水は以下の張りつけ地図を参照して下さい。
詳細地図を持って行かなかったのでかなり遠回りした。
看板はあるにはあるが、観光を前面に押し出している訳ではなく、本当に近くに行くまでない。そして分かりづらい。駐車場が無いので、観光客が大挙して押し寄せても・・・ということなのかもしれない。

智積養水
名水百選の本掲載の、西勝寺前の用水路。制定当時より澄んで見える。
しかし、ゴミが浮いていたり、鯉を移動させたりする人もいるらしい。保存会の方の努力が忍ばれます。
西勝寺前のちょっとしたスペースにある地図。この地図で蟹池まで行こうとしたのだが。。。困難。

 蟹池へ。
バラを栽培しているハウスの裏手にあった。この水で育てられたバラは綺麗だろう。
昔はこの池の西側200m程上に小さな池があったそうだが、区画整理の都合で現在の位置にしたとか。
前の池は、蟹の泡のようにぶくぶくと水が湧き出ていたそうだ。
透明度が高い

 古来、農耕地だったこの地では、蟹池のある神森地区と智積地区で水をめぐる争いもあったという。(桜郷土史研究会HPに詳しい)


飲用取水口は見当たらなかった。

成分・湧出量等
約19,000トン/日

アクセス
鉄道・バス:
智積用水:四日市より、近鉄湯の山線で15分(一時間に2から4本)桜駅より徒歩5分弱(350m)程度。
蟹池:桜駅より徒歩15分(1.5 km)程度。

車:
東名阪自動車道四日市ICより国道477号線を経由して1.5 kmくらい。
駐車場は基本的にはない。

近くの見所など

洒落た喫茶店が付近に何件かあった。ピーナツ付きな所が、名古屋文化圏と感じる。

湯の山温泉(アルカリ単純泉)
そして、全く近くはないが、三重県の津市は、鰻消費量日本一、らしい。ひつまぶしは名古屋の-1000円程度で食べることができる。四日市はとんてきが名物だそう。

由来・伝説・利用状況等
このあたりの川は、適度な雨が降ってもほとんどが伏流水になってしまうため、農業用水が望めなかった。しかし、豪雨の場合には、上流から怒濤のように水が流れ、田畑に水が溜まってしまい、治水・利水が長年の重要な課題だった。
 そこで、蟹池から智積地区まで水路を作り、必要量を確保し、余分な分を逃がす方策をとった。智積用水は、智積地区の生活の全てに関わる大事な水だったので、いつからともなく「智積養水」と呼ばれるようになったという。


 参考サイト
 環境省 名水百選
http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=50
桜郷土史研究会HP
http://www.sakuracom.jp/~kyoudoshi/index.htm